top of page

講座概要

朝食を食べる
車椅子の患者と看護師

ご挨拶

 日本大学歯学部摂食機能療法学講座のホームページにようこそお越しくださいました。2024年4月1日付で、第2代教授として就任致しました米永一理(よねなが かずみち)です。

 本講座は、2004年に前任の植田耕一郎先生(第4代日本摂食嚥下リハビリテーション学会理事長)を初代教授として開設され、本邦の歯学部でもっとも早期に創設された「食べる」をみることを専門とする医局です。政府は約10年前に、健康寿命の延伸、幸福社会を掲げ、これらの実現ために、「食べる」を科学しマネイジメントする専門家が求められるようになってきました。一方で本講座は、諸先輩方の先見の明により、20年前に創設されており、「食べる」をみる領域のフロントランナーである責務があると感じております。
 「食べる」ことは、生きる根幹です。この「食べる」を、多職種連携の中で主治医として支えられることが、歯科医師にとっても重要と考えています。また社会生活において、「食」は多くの分野と関わりがあります。例えば、産学官連携では、単に医療分野との連携だけでなく、飲食業や小売業、農林水産業などと広く関わるようなってきており、歯科の活躍の場は益々広がってきています。
 「食べる」に介入できるようになるためには、口腔・摂食嚥下機能のみならず、全身的、精神心理的、社会的要因の把握が必要であり、多くの知識と技術が求められます。一方で歯科医師の王道は、齲蝕、歯周病、咬合治療であり、その上で「食べる」もみることができるようになることが大切と考えています。
 以上を踏まえ、本講座では、本学部の理念でもある『医学的歯学』を実現すべく、『「食べる」を通じて各領域の結節点となり、医学的歯学を実践する』ことを医局理念として運営しております。本講座の取組みを通して、「食べる」を科学し、歯科医師人生をともに楽しめる仲間が増え、医学の発展に貢献できるとうれしく思います。皆様のあたたかいご指導ご鞭撻の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

日本大学歯学部摂食機能療法学講座 主任教授        

​日本大学歯学部付属歯科病院摂食機能療法科 科長  

米永一理  

桜歯ニュース222号(2024年4月15日発行号)より改編

 

*画面が表示されない場合は、画面倍率(ズーム)の調整で解決する場合があります。

医局理念

​『食べる』を通じて各領域の結節点となり、医学的歯学を実践する。

医局の目標

1.イートロス医学の深化

  (食支援医学の充実とカヘキシア予防)

 

2.口腔緩和医療・終末期歯科医療の確立

  (高齢者歯科医学含む口腔医学の体系化)

 

3.医市連携(いしれんけい)の構築

  (医歯薬連携・多職種連携の発展による歯科のプレゼンス向上)

臨床(診療内容)

日本大学歯学部付属歯科病院 摂食機能療法科ホームページ(こちら)をご覧ください。

(摂食機能療法科は一般社団法人日本老年歯科医学会の研修機関です。)

教育

学部学生、研修医、および大学院生に「食べる」をみるプロフェッショナリズムと楽しさを教えています。

詳細は、日本大学歯学部授業計画(シラバス)(学部はこちら)(大学院はこちら)をご覧ください。

主な研究テーマ

・イートロス(食べられない状態が続くこと)への対応と低栄養・カヘキシア予防法の研究
・医市連携を通じた食支援医学の社会実装および口腔緩和医療・終末期歯科医療の確立
・口腔機能発達不全症における小児の舌圧・咀嚼機能の発達の関連性の解明
・施設入所者における咀嚼機能の低下要因の解明
・リナロールの口腔内疼痛に対する鎮痛機序解明 

・イートロス・オーラルフレイル・口腔機能低下症の機能訓練ディバイスの開発

・歯科領域のエコーおよび漢方薬の活用 等

研究概要
(大学院シラバスより抜粋)

 超高齢社会を迎え,「食べられない」患者が増え,食べられない状態が続くこと(=イートロス)で生じる低栄養と,その先にあるカヘキシアへの対応が喫緊の課題である。そこで,われわれはイートロスの診断/予防/治療の体系化を目指し,「食べる」を科学する研究をおこなっている。
 現在摂食機能療法が関わる臨床では,外来だけでなく訪問診療の需要が高まっており,要介護高齢者や有病高齢者への対応が必須となっている。そのような中で,歯学・医学ではオーラルフレイルや口腔機能低下症,さらに口腔・摂食機能障害に至るまでの流れが示され,2018年には「口腔機能低下症」と「口腔機能発達不全症」という口腔機能障害に関わる新しい病名が導入された。
 一方で人が生きる根幹である「食べる」ことは,様々な要因と多彩な領域が複雑に絡み合うため,未解明なクリニカルクエッション(臨床的疑問)も多い。そしてこの分野の課題は,口腔・摂食機能が低下する高齢者の問題だけでなく,正常な口腔機能の発達を獲得できない子どもの問題でもある。つまり,摂食機能療法は,幅広い世代を対象として深化しつつあり,さらなる発展が想定され,われわれが果たす社会的な使命は大きい。
 よって,摂食機能療法学では,『「食べる」を通じて各領域の結節点となり,医学的歯学を実践する』ことを理念として,関連する知識・技術をシームレスに習熟できるよう努めている。そのために,基礎系講座と共同研究を行い,基礎的な研究手法を身に付けることを推奨し,食支援に関わる多職種連携と,その先にある医市連携(医療と市民,市場,市政との連携)を推進している。さらに、口腔緩和医療や終末期歯科医療等の未開の分野の確立にも挑戦し,次世代の歯科界を担う人材育成を目指している。

​リンク

日本大学歯学部摂食機能療法学講座 講座紹介

日本大学歯学部付属歯科病院 摂食機能機能療法科

教室史(2004~2015年)(日大歯学, Nihon Univ Dent J, 89, 167-180, 2015)

関連学会

  日本摂食嚥下リハビリテーション学会

  日本老年歯科医学会

  日本老年医学会

  日本口腔ケア学会(理事 米永一理)

​    口腔ケアアンバサダー委員会(委員長 米永一理)

  国際口腔ケア学会(理事 米永一理)

  日本口腔科学会

  日本口腔内科学会

  日本口腔外科学会

  日本歯科保健医療国際協力学会(理事 米永一理)

  日本抗加齢医学会

  日本内科学会

  日本プライマリ・ケア連合学会

  日本病院総合診療医学会

  日本再生医療学会

  日本口腔医学会(理事長 米永一理)

  日本大学歯学会  

共同研究契約締結機関

  十和田市立中央病院(2024年4月~)

  タマガワエーザイ(2024年9月~

  医療法人社団慈誠会(2024年10月~

関連機関

  東京大学大学院医学系研究科イートロス講座​

講座関係者の開発関連製品

  とろり緑茶(とろみ付緑茶飲料 株式会社伊藤園)​

  Hummingbird Plume〈ハミングバードプルーム〉(医療と衣料 日本エンゼル株式会社)

  エコーTシャツ(日本エンゼル株式会社)

​  漢方カルタ(たにぐち書店)

bottom of page